台湾の京都と呼ばれる古都、台南では歴史建造物の古跡巡りが観光のメインです。どこも外せないスポットばかりですが、中でも赤崁楼(せきかんろう)は安平古堡と並んで鄭成功の足跡を辿る重要な場所でもあり、移り変わる台南の長い歴史を見つめてきた建物の一つです。周辺には美食街もあるので散策のついでに美味しい食事も食べられますよ。
赤崁楼(せきかんろう)は台南最古の歴史建造物です。1652年にオランダ人が建造し、当時はプロヴィンシア城と呼ばれていました。現地の人たちはオランダ人のことを紅毛と呼んでいたことから、別名「紅毛樓(赤崁樓/せきかんろう)」という名称で通っています。
鄭成功がオランダ軍を駆逐してからは承天府と改名しました。オランダ統治、明鄭時代、清時代、そして日本統治時代と実に様々な政権へと移り変わっていく中で、何度も改築や修復がされ今の姿になったようです。レンガの城門と基盤が当時の様子を伝えています。
正門をくぐると「鄭成功に降伏するオランダ人」の銅像があり、手入れの行き届いた庭が広がっています。緑豊かな庭園と晴れた空には海神廟のコントラストが映えます。
そして海神廟と、その前にずらりと並んだ石碑が見えます。この石碑の足元をよく見ると、下で支えているのは亀。この石碑には良い功績を残した人たちを称えた碑文があります。
なぜ亀かというのが気になりますよね。かつて龍が生んだ9匹の子供のうちの1匹が、重荷を背負う神通力を持った亀に似た動物だったため贔屓になったという伝説が由来しているのだとか。神通力を持つ亀の上に称えられた人たち。何かご利益があるかもしれませんね。
この石碑の素材である花崗岩はわざわざ金門島から運ばれてきたものなのだとか。敷地内にあるものは一つ一つ歴史を感じるものばかりです。
敷地内には歴史資料の展示と展望が楽しめる「海神廟」、学生たちが学問成就の祈願に訪れる「文昌閣」そして「蓬壺書院」など見所があります。こちらは1944年に日本人が発掘したかつての基礎部分。このレンガは牡蠣の殻を灰にしたものと砂糖水などを使って積み上げているのだとか。これだけしか残っていなくても、頑丈な基礎で城が作られていたことがわかります。
この他、海神廟と文昌閣の間にはオランダ人の緊急避難用に作られたという秘密の通路がある井戸「紅毛井」があります。この井戸底にはなんと安平の古城につながっている道があるのだとか。
元々この馬の石像は鄭成功の墓前を守っていたそうです。その後鄭成功の墓が福建省に移されて以後この場所は荒れ果て、民兵の首長が鄭成功の墓穴だった場所に埋葬されました。
石馬は、その墓を守ることを拒んで、夜になると墓前から動き出し、周辺の畑を荒らすなど災いを起こすようになったそうです。それに怒った農民が石馬の脚を鋸で切ってしまいました。そして今の姿になったという言い伝えがあります。前足は修復されている姿はそういう理由があったのですね。ちょっと寂しそうにも見えてきます。
その他にも中国建築様式の細かい見所がたくさんある赤崁楼。夜はライトアップされた姿も人気があります。週末には野外コンサートが開かれることもあるのだとか。国家一級古跡に指定されている歴史的な建築物、台南に来たら訪れるべき観光スポットの一つです。
住所 | 台南市民族路二段212号 |
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電話番号 | 06-299-1111 |
営業時間 | 8:00~17:30(土曜は21:30まで) |
休み | 清明節、端午節、中秋節及び春節(旧正月) |
入場料 | 50元 |
アクセス | 台南駅前から5号か99号のバスで「赤崁樓」下車すぐ |