野柳地質公園は台北と基隆の間にある新北市の野柳岬に指定された公園です。
地質という言葉が示すように、野柳岬のそのユニークな地質形状が訪れる人を魅了し、観光スポットとして人気を集めています。
野柳地質公園は台湾の北部の基隆から西に10kmほど行ったところにあります。
台北からだと台北駅から出発する「金山方面」行のバスに乗り野柳で下車します。台北からの所要時間は約1時間20分です。
野柳地質公園は野柳岬全体を地質公園として指定したもので、公園に入るとすぐ、海岸のあちらこちらに変わった形をした岩が見えてきます。
野柳地質公園は大きく3つのエリアに分かれていますが、この中で一番よく知られているのが、第2番目のエリアです。
奇岩の数は第1エリアより少ないのですが、第2エリアには野柳地質公園で一番有名な「女王頭」「ドラゴンヘッド」「キングコング」と呼ばれる奇岩があります。
中でも女王頭はその見事な岩の形成がまさに女王の頭のように見えることで最も人気があり、写真を撮るために長蛇の列ができることもあります。ただ首の部分が風化により年々細くなっているので、残念ですが近い将来には崩れてしまうことが予想されています。
野柳地質公園から東に1.5kmほど離れたところに駱駝峰という大きな岩があります。
この岩のすぐ西側には九孔池があり、ここからは野柳地質公園を遠景に望むことができます。駱駝峰はその名の通り一つコブ駱駝の背のような形をしており、色も黄土色をしています。
野柳地質公園から歩いても行ける距離ですが、少し遠いと感じる場合はタクシーを利用すると便利でしょう。
野柳地質公園の駐車場の隣には水族館「野柳海洋世界」があります。
ここでは海洋関係の展示物はあまりありませんが海底のトンネル水槽があり、イルカやアシカのショーが楽しめます。その他、野柳地質公園のビジターセンターの北側には「野柳仁和宮周倉将軍」という廟があります。
規模は小さいですが、地元ではここで結婚写真を撮ると子孫繁栄、また金運も良くなると信じられており縁起の良いところだそうです。
野柳地質公園の不思議な地形はいったいどうやってできたのでしょうか。
地図を見るとわかるのですが全長1700m ある野柳地質公園のある野柳岬は幅が大変狭いことがわかります。そこだけ台湾の陸地から突出しているのです。
そうした地形のため海水や風にさらされることが多く長い長い年月を掛けて浸食され現在のような形状が出来上がったと考えられています。
特に野柳地質公園で最も多いキノコ岩は、岩の割れ目に海水が入り込み長い間に浸食され岩の深部の硬いところだけが残って形成されたものです。
野柳地質公園には、女王頭岩の首の部分のように風化が激しく近い将来には崩壊が予想されている岩もあります。
実際、野柳地質公園の岩や地質は大変もろいので維持していくのが難しくなっています。
一番恐れているのが人害です。観光で訪れる人が増えるにつれ、岩に触れたり乗ったりする人も出てくるようになりました。こうした心もとない行為が自然の美しさを破壊することにつながってしまいます。
また、海岸付近にはなめらかな形状を成す岩盤もあり、あまり端のほうまで行くとすべって落ちる危険があります。そのためここには赤い線が引かれていますから観光の際はその線を越えないよう注意が必要です。
野柳地質公園には名前の付いた奇岩の他にもおもしろい地質形状が見られます。
その一つが風化紋です。風化紋は岩の表面や裂け目に見られる茶色のきれいな模様です。
また、花びらのような茶色の石が見られます。これは昔この地域に住んでいたヒトデなどの生物が堆積物の中に残ったもので生痕化石と呼ばれています。奇岩、風化紋、そして化石などの珍しいものが多く見られる野柳地質公園では、自然が作り出した芸術作品を思う存分楽しむことができます。
住所 | 新北市萬里区野柳里港東路167-1号 |
TEL | 02-2492-6516 |
営業時間 | 7:30〜17:00(5月〜9月中旬までは18:00まで) |
休み | なし |
入場料 | 80元 |
アクセス |
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