行天宮は台北のオフィス街にある神社です。
三国志の関羽を祀ってあり、朝から参拝客が訪れ、週末ともなるとお祈りするにも列ができるほどです。
そんな人気のある行天宮の見所や背景をご紹介します。
行天宮は台北駅から直線距離にして北東へ約2キロのところにあります。
台北MRT(地下鉄)中和新蘆線の「行天宮駅」で下車すれば歩いて5分で着きます。あたりは高層ビルが立ち並ぶオフィス街。そんな雰囲気とは無縁な感じて立っているのが行天宮です。
手入れが行き届いた植木に囲まれ、屋根には龍や鳳凰が豪華に飾られ正面の赤い扉の前には狛犬が飾られています。
行天宮には朝早くから人が訪れ、境内はすぐに線香の臭いでいっぱいになります。週末ともなれば、お祈りをするのにも行列ができるほどです。
行天宮のすぐ前の地下道はH型をしているのですが、このエリアは「占い横丁」と呼ばれ、H型の2つの通路には占い師が店を並べています。
地下に向かって長い階段を下りていくと少し向こうに灯りが見え、占いの店が見えてきます。店と言っても簡単なブースです。
そのブースの中には写真や中国語で書いたものが貼ってありますが、日本人観光客がたくさん来るため占い師の多くは流暢な日本語を話します。言葉の心配をせずに占ってもらえます。
神社やお寺では普通建物内にお線香の煙が漂っていますね。
行天宮の建物内も煙が漂っているのが見えますが、これはお線香の煙ではなく、ミストシャワーだそうです。行天宮では環境保護の立場からお線香を立てることが禁止されているのです。
ミストシャワーが使われているのは実際にはお線香の煙の雰囲気をだすためではなく、暑い夏場を乗り切るためなのだそうです。
行天宮から松江路を南に1キロほど行き左に曲がった所に「袖珍博物館」という博物館があります。民営の博物館で、展示してあるのは主に世界の国々で収集したミニチュアです。
例えばガリバー旅行記の場面とか人形の家とか、その家で使われる人形や飾り物などがあり、かなりの内容です。博物館の建物自体はそれほど大きくないのですが、そんな限られた空間にミニチュアがぎっしり詰まっています。
台湾とは直接関係ないですが、見る価値ありのスポットです。
住所 | 台北市建国北路一段96号B1F |
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TEL | 02-2515-0583 |
営業時間 | 10:00~18:00 ※入場17:00まで |
休館日 | 月曜・旧正月の前2日間 |
行天宮は1943年に台北の迪化街に建てられ、1949年に森林北路に移転されました。その後、その敷地に国民中学校が建てられることになったため、1967年に現在の所に移されました。
行天宮に祀られているご本尊は「關聖帝君」ですが、これは商売の神であり、行天宮の人気が高いのもこの商売の神によるところが大きいと考えられています。
關聖帝君は三国志の関羽雲張のことですが、関羽雲張は主君である劉備玄徳へ強い忠誠心を示したことが評価され、死後、祀られるようになったのです。
行天宮の境内ですることは、もちろんまず祈ることですが、その他におみくじを引くこともできます。
このおみくじは日本のやり方とは違って、まず2つの半月型の赤い木片を投げます。投げる際に自分の名前、生年月日、住所を述べ最後に願い事を言います。投げ終わって2つの木片の1つが表、もう1つが裏であれば、そこで初めておみくじを引くことができるのです。
表と裏以外の組み合わせでは、願い事がおみくじを引くのに値しないということになりますから、おみくじを引くことはできません。
行天宮に行くと青い衣服をまとった人が線香を祈祷者の体の周りで動かしている光景が目に入ってきます。
これは収驚と呼ばれるお払いで、毎日11:20から始まります。このお払いは、毎日の生活の中で、驚いたり悲しんだりすると心が乱れ、魂が抜けてしまうので、そんな時に気を引き締めるのに効果があるそうです。
実際にお払いを受けるには、お払いをしている人のところに行って、順番を待てば良く、お払い自体も5分くらいで終わります。
基本的には携帯などは切って静かな状態でお払いを受ける必要がありますが、もう一つ、カバンを右の肩に掛けている場合は左側に掛け変えておいてください。これは収驚が始まるのが右側からだからです。
住所 | 台北市中山區民權東路二段109號 |
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営業時間 | 4:00-22:00 |
休館日 | なし |
アクセス | 台北MRT(地下鉄)中和新蘆線行天宮駅出口3から徒歩約5分 |