台北市内の観光では主にMRTを利用する方が多いと思いますが、近隣の都市を訪れる際は台湾鉄道に乗るとリーズナブルで移動も楽々です。台湾はじめてさんでも気軽に乗車できる台湾鉄道。いつもとは違った旅をしたいというリピーターさんにも大推薦です。
車窓からの風景のほかにも駅弁やスタンプ集めなど楽しみがたくさんあります。特に鈍行でのんびりと進むローカル線は旅気分をより満喫できますよ。一駅一駅違った雰囲気の駅舎や周辺の街並みなど、非日常的な感覚が味わえるはずです。
ぜひ台湾鉄道ローカル線の旅に出掛けてみませんか。
台湾北部、新北市を走る台湾鉄道平渓線は、ノスタルジックな風景が魅力的なローカル線です。基隆河に沿って渓谷を走っていくためこの名前が付いたようです。三貂嶺駅から始まり、大華駅、十分駅、望古駅、嶺脚駅、平渓駅そして終着駅の菁桐駅まで。
路線の走行距離は約13Km。時間にして約45分ほどです。平渓線の各駅はそれぞれ楽しみ方や魅力があります。
こちらでは特に代表的なスポットをご紹介したいと思います。
台湾鉄道宜蘭線の瑞芳駅から乗り入れている平渓線の始発駅は三貂嶺駅。この瑞芳駅と三貂嶺駅の間には猫村として近年話題になっている猴硐駅があります。猫好きさんはぜひついでに寄り道してはいかがでしょうか。まったり過ごしている猫さんたちのかわいい表情をカメラに収められますよ。
平渓線の見どころ代表格として有名なのが十分駅にある十分瀑布です。瀑布とは滝のことを指します。十分駅で下車するとお隣の大華方面に向かって30〜40分ほど歩きます。途中で吊り橋を渡ったり、線路そばを歩く道では自分の隣を列車が走って行ったり。滝までのお散歩タイムはここでしか味わえない楽しい時間です。
十分瀑布のある公園は2014年までは有料でしたが、現在は無料で入場ができるようになりました。深いエメラルドグリーンの川沿いの遊歩道を進むと現れる迫力満点の十分瀑布。ゴツゴツとした岩肌を流れる美しい水と円形の滝は一見の価値ありです。
滝へ向かう途中、眼鏡瀑布という滝や台湾煤礦博物館という炭鉱博物館もあります。
台湾では毎年旧正月に行われているランタンフェスが有名ですよね。でもフェスシーズンにぴったり合わせて台湾に行くのは難しいという方に朗報です。十分駅、菁桐駅、平渓駅など平渓線の駅周辺では天燈(ランタン)上げ体験ができますよ。
天燈というのは、大きな紙製の風船のようなもの。下部に付けられた火の熱で空へ高く高く飛んでいきます。その天燈に願い事を書いて飛ばすと願いが叶うと言われています。上記駅周辺には天燈を販売しているお店がたくさんあります。いろいろな色の天燈があり、願い事によって色を変えるとご利益があるそうですよ。お値段も200元ほどなのでぜひ挑戦してみましょう。素敵な旅の思い出になりますよ。
駅を降りたら線路そばを歩いてみたり昔懐かしい雰囲気の平渓老街を歩きましょう。賑やかな観光地の老街とは少し違って、地元に根付いているお店が多いような感じです。老舗の食堂や台湾のキャスキッドソン客家模様の布のお店などもあります。
次の列車が通過する時間までぶらぶらと周辺を歩くと何か楽しい発見があるかもしれませんよ。街を歩いたあとは、列車が到着する少し前に駅に戻ってカメラをスタンバイ。すぐそばに建物が迫る狭い線路に入ってくる列車のダイナミックな写真が撮れます。平渓線といえばコレ!という写真をしっかり納めて帰りましょう。
各駅で途中下車しながら散策するなら1日乗車券がお得です。何度でも乗り降り自由ですが、本数が1日16往復とあまり多くないので時間配分して観光しましょう。それぞれの駅を探索するにはかなり歩くので、履きなれたスニーカーで行きましょう。散策が楽しい平渓線の旅、台北の街中とは違った台湾に出会えますよ。