善導寺はMRTブルーライン(板南線)の台北駅のすぐ隣に位置している駅ですが、2019年1月にとあるカフェがこの善導寺駅の近くに引っ越してきました。
カフェの名前は「浪浪別哭」といって、もともとは台北駅近くに店を構えていました。
台北住みの人たちに人気のお店で、小さなカフェながら休日ともなれば(時間帯によっては休日以外も)店の外に行列ができるほどでした。
この小さなカフェが、どうしてこんなに人気があるのか?それにはちゃんと理由があります。じつはこのカフェ、カフェでありながら店内をワンちゃんやネコちゃんたちが元気に遊び回っている、つまり「犬猫カフェ」なのです。
犬も猫もいるカフェなんて、中は一体どうなっているのか? 気になったので、ちょっと見に行ってまいりました。
上にも記載しましたが、浪浪別哭があるのはMRTブルーラインの善導寺駅の近くです。善導寺駅は駅の名前にもなっている通り、駅の真上に善導寺というお寺が建っています。
浪浪別哭へ行くためには、まずは6番出口を探してそこから地上へ出ましょう。出口の階段を上がると、駅のすぐ横に善導寺があるところに出ます。ちなみに、この6番出口の道路を挟んで反対側には、かの有名な朝ごはんの店「阜杭豆漿」がありますよ。
6番出口をでたら、すぐ目の前にある1つ目の角を左に曲がります。善導寺の壁沿いをずっと進んでいくようなイメージです。
そのままずっと歩いて行き、2つ目の角を左に曲がってください。角を曲がってまっすぐ進んでいくと、やがて右手に浪浪別哭が見えてきます。
私が浪浪別哭を訪れたのは水曜日の午後1時頃でした。
平日で雨も降っているし、すぐに座れるかと思ったのですが……中を覗いたら店内には結構な人数が座っていました。お昼時だったということもあり、店内の座席はほぼ埋まっているようでした。
こうして書くと店のドアを開けたらすぐに店内に入れるように聞こえてしまいますが、実はこのお店の構造は普通のカフェとはちょっと異なっています。
お店のドアを開けると土間と言うかコンクリートの打ち付けになっているスペースがあり、そのスペースを隔ててもう一つ、金網を貼った引き戸が存在しています。本当にカフェの店内に入るためには、この金網状の引き戸をくぐらなければなりません。
中の動物たちが外へ出てしまうのをこのスペースを利用して防いでいるためです。
また、私は迂闊にも勝手に金網を開けて直接店内に入ってしまったのですが、実は店を訪れたらまずは金網横のカウンターのようになっているところから店内の店員さんに声を掛けて、入店したい旨を伝える必要があります。
これも、動物たちが外に出てしまうのを防ぐためです。
というわけで、お店の人に声を掛けたら土間の所にあるベンチに座って、店員さんにドアを開けてもらうのを待ってください。
待っている間に、カウンターにおいてあるアルコールで手を消毒してしまいましょう。
お店の人に店内に入れてもらったら、まずはカウンターで注文を済ませます。
席はほぼ埋まっていますので、自分で座りたい席を選ぶことはできません。お店の人が座るテーブルを指示してくれるので、指示された番号の席に座りましょう。
注文が出来上がったら指示されたテーブルの上に配置された呼び出しベルが鳴るので、勝手に好きな席に座らないようにしてくださいね。
このカウンターが有る部屋なのですが、自分が注文しいるその後ろでは、かわいい子犬たちが転げ回るようにして遊んでいました。
そう、金網の引き戸の中に入ったら、そこからは既に犬猫カフェの犬のいるエリア。放し飼いのワンちゃんたちがソファの上に寝そべったり、玩具で遊んでいたりします。かわいい!!!
犬のいるエリアと猫のいるエリアば別室になっているので、注文するときに一緒にどちらのエリアの座席に座りたいかを伝えます。猫エリアを希望した私は、店の奥の方へ。
こちらの金網で隔てられているのですが、目を凝らして見ると金網の向こうから、白猫ちゃんの姿が見えます。
お店の人からドアをくぐる前にドア横の注意書きを読んでねと言われたので、先にそちらを確認します。
それによると……
だそうです。
(台湾では、猫の飼い主として蝶よ花よと猫に尽くしている人のことを「猫奴(猫的奴才。奴才は皇帝に仕える宦官が自分を呼ぶときに使う呼称です)」と呼んだりします)
以上のことをよくよくお守りくださいね!
私がお店を訪れたとき店内を元気に駆け回っていたのは、写真の三匹でした。
お店のホームページを見るとこれらのネコちゃんたちを始めとするお店のワンちゃんネコちゃんたちの写真と紹介文が掲載されています。
それによると、ハチワレこの子が浪嗶啵、白と縞の子が浪香雪、キジトラの子が浪順心と名前がついています。
去年生まれたばかりの子や生後2年ほどの子たちばかりなので、まだまだやんちゃな盛りです。
テーブルの上に何もなければぽんぽん飛び乗りますし、食べ物や飲み物が置いてあれば、乗りかかって食べようとしたりします。
私はカレー味のパスタを注文したのであまり興味がなさそうでしたが、隣の席に座っていた人のクリームリゾットのお皿には興味津々のようでした。
トイレなどで席を離れる必要が有る時は、入り口右手のところに食べ物にかぶせるための透明な盥のようなものがおいてありますので、それを被せてから席を立つようにしてくださいね。
人間にとってはとってもおいしいですが、猫ちゃんにとってはあまり興味をそそられないらしい南洋咖哩義大利麵(カレー味のパスタ:250元)と美式咖啡(アメリカンコーヒー:100元)。
興味がないとは書きましたが、万一にも猫ちゃん達が食べてしまったらお腹を壊してしまうこともあるので、トイレなどで席を離れる必要がある時は入り口近くにおいてある盥のようなものを被せてから離席しましょう。
特にケーキのクリームやチョコレートなんかは要注意です。美味しい物が好きなのは、人間も猫ちゃんたちも変わりませんね。
今回店に出ていたのは3匹でしたが、猫エリアにはもう一つ金網の扉で区切られた小さな小部屋があって、そこにはまだお店に出られないようなちびっちゃい子猫達もいました。
この子達も上の猫たちと同じように浪から始まる名前がついています。きりっとした顔の子が浪小帥、タレ目の子が浪帥弟とそれぞれ名前がついていました。
ちなみに、ワンちゃんたちもそれぞれ浪という姓から始まる名前がついています。みな、この浪浪別哭の家族なのです。
さて、浪浪別哭のホームページを見ると、お店に出ているワンちゃんや猫ちゃんたちの写真と名前の下に、もう一つ情報がかいてあることがわかります。
細かい所までは記載しませんが、大きく分けて、
つまりこの子達はこのお店の家族ですが、同時に新しいお父さんやお母さん(飼い主さん)がこのお店にやってくるのを待ってもいるということです。
その間、こうしてカフェで接客して自分の食い扶持を稼いでいるというわけです。小さいのに偉いなぁ。
ワンちゃんや猫ちゃんたちは里親が見つかると浪浪別哭を離れて行ってしまいますので、出会いは一回きりになる可能性もあります。
里親が見つかるのはいいことですが、ちょっぴり寂しくもあります。
ちなみにですが、この子達を養子として引き取るという手伝いはできなかったとしても、こちらのお店で注文した飲食代のうち3%が動物愛護協会に寄付されます。
お店から寄付されたお金は、ノラ犬やノラ猫の避妊手術やワクチン注射などの費用(TNRという言葉がよく使われています。台湾だとTNVRとも言われるようです)として使われるということです。
かわいい猫や犬と戯れて、募金もできる! そんな浪浪別哭を面白い喫茶店だと思われた方、またこうした活動に興味がある方、そして何より、ワンちゃん猫ちゃんが大好きな方!
善導寺までお寄りの際は、是非一度、こちらの喫茶店を覗いてみてくださいね。
住所 | 台北市中正區林森北路9巷13號 |
営業時間 | 月~日 12:00〜21:00 |
HP | http://www.langlangdontcry.com.tw |