高雄の中心街から北に10kmほど行った所にある淡水湖「蓮池潭」。
そこには「龍虎塔」だけでなく「春秋閣」「元帝廟北極亭」「孔子廟」などの見所があり、高雄の主要観光スポットとして多くの人が訪れています。
蓮池潭の周りを散策するときは、通常、南側の西のコーナーにある龍虎塔からスタートします。
これは龍虎塔がパワースポットであり、湖の他のスポットに行く時間がなくてもこの塔だけは見逃せないと考えられているためです。
道路と龍虎塔との間に作られたジグザグの通路を通ると龍虎塔に到着します。
鮮やかな原色で彩られた龍虎塔は見るとすぐにわかります。
まず龍と虎のオブジェがあり、その後ろにそれぞれ6重の塔が建てられています。塔は5階まで登ることができます。建物内に入るには龍の口から入り虎の口から出ます。
龍と虎の内部はトンネルになっていて、トンネルの側面には中国の昔話の壁画が展示されています。
龍虎塔を後に北に向かって進むと見えてくるのが春秋閣です。春閣と秋閣の2つの塔がありますが、ここには武聖と関羽が祀られています。
春閣と秋閣の間に置かれているのは騎龍観音像でさらに湖に向かって橋を進むと、反り返った屋根のある五里亭が見えます。この3階建ての建物は中国式東屋様式を取り入れたものです。
元帝廟北極亭は1995年に建てられた降妖伏魔の力を持つ武神「玄天上帝」を祀っている建物です。この建物の上には、左足でヘビと亀を踏んでいる巨大な玄天上帝の神像が立っています。
また道路から北極亭に架けられたまっすぐな橋の欄干には、三十六天奨の像が並んでいます。建物内は廟になっていて玄天上帝の肖像画や妖怪をやっつける絵が飾られています。
蓮池潭は、高雄の左営区にあるため左営蓮池潭とも呼ばれています。この湖は全周約3.5kmの長方形の形をしています。
ガイドブックによっては約1時間でぐるっと回れると書いているものもありますが、見所が多いためじっくり観光したければ2時間は取っておいた方が良いでしょう。
湖面には蓮の葉が広がり、夏になると美しい蓮の花が満開になります。蓮池潭の名前もこの蓮にちなんでつけられたものです。蓮池潭の面積は最初75haありましたが、孔子廟建設のために一部埋めたてられ、現在の面積は42haに縮小しています。
現在、蓮池潭は観光スポットとして有名ですが、かつては貯水池として役割を果たしていました。
貯水池としての歴史は古く1704年から整備が始まり1842年には灌漑用貯水池として拡張されました。これに伴い水路が作られたため、蓮池潭のある左営地区は豊かな土地として発展しました。
ただ、この一帯は今では宅地として開発され、また高層ビルも建てられたため、蓮池潭はもう貯水池ではなくなり、水路も灌漑としての機能を失っています。
龍虎塔では仏教説法の教えがいくつかテーマとして使われています。
まず、塔に向かう通路がジグザグになっているのは、悪魔はつねにまっすぐに進むため、道をわざとジグザグにして悪魔を近寄せないようにしているのです。そしてこの塔に入るときは龍から入って虎から出ることになっていますが、それは、十二支の中では龍が一番良い動物で虎が一番悪い動物だと考えられているので、龍から入って虎から出ると悪いものを一掃でき善人になれると信じられているからです。
また、龍と虎のトンネル内に展示された数多くの壁画の一つ「二十四孝」の絵は、かつて中国で大変親孝行だった24人の人の話を絵にしたものです。中国では親孝行が大変大事なことと考えられており、飾られた壁画を通して親を不幸にしないようにという戒めを訓示しているのです。
住所 | 高雄市左営区翠華路1435号 |
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営業時間 | 8:00-17:00 |