台湾・台北北部の士林区にある国立故宮博物院は中国歴代の皇帝の美術品65万点を収蔵し、世界4大博物館の一つとして有名です。
青銅器、彫刻、陶磁器、書画など、どれ一つを取って見ても美術品としての価値の高さに圧倒されます。
国立故宮博物院は台湾旅行では見逃せない観光スポットです。
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国立故宮博物院は台北の郊外士林区にある博物館です。
「故宮」とは「古い宮殿」のことで、この博物館には中国の昔の宮殿に収納されていた中国歴代皇帝の所持品が収蔵されています。
広大な敷地に作られているため、入口から本館までは200m離れていおり、歩いて5分くらいかかります。
入口には白い大きな門があり、この門の上部中央には孫文が好んだ「天下為公」(天下は公民のためにある)という言葉が書かれています。
また本館の隣には「至善園」という美しく広大な庭園があり憩いの場になっています。
国立故宮博物院には65万点もの展示物が収蔵されているため、すべてを見るには8年かかると言われています。
本館は3階建てで、各階ではテーマ別に展示物がアレンジされています。
3階から始めて次は2階そして1階という順路で鑑賞するのがおすすめです。
3階に展示されているのは青銅器と玉石の彫刻品ですが、ここには国立故宮博物院の「故宮三宝」と呼ばれる「翠玉白菜(白菜を形取った輝玉/写真左上)」「肉形石(角煮の肉を形取った石/右上)」「毛公鼎(3本脚の青銅の礼器/左下)」が展示されています。
国立故宮博物院の2階には陶磁器と書画が展示されています。
陶磁器は年代によって特徴がかなり異なり、その分、展示の区分も細かく分かれています。
ここでは年代順に観賞し年代ごとの特徴を楽しむのがコツです。すると中国の陶芸美術がどのように発展していったのかが理解できます。
書画は痛みが激しいため、3か月に一度展示内容を取り換えています。有名な書画は2階の放映室で映像を通してみることもできます。
故宮晶華は国立故宮博物院の敷地内にあるレストランです。
博物院との関連を強調するため、レストランの外観だけでなく内装も大理石やガラスをふんだんに使い博物館風にデザインしています。デザイナーは日本人の橋本夕紀夫氏です。
メニューはと言えば、こちらも国立故宮博物院とのリンクを大切にしており、博物院で人気のある「肉形石」や「翠玉白菜」をもじって角煮や白菜料理をメニューに入れています。
国立故宮博物院に収蔵されているのが中国の歴代の皇帝の宝物であるため、「国立故宮博物院はなぜ中国本土ではなく台湾にあるのか」と疑問に思う人もいるかもしれません。
この理由を知るには台湾の歴史を辿らなければいけません。
台湾が中国と政治的に切り離されたのは、第2次世界大戦後、現在の台湾の元を築いた国民党と中国共産党との間で内戦が起こったからですが、国民党はその時に歴代皇帝の宝物が戦争により破壊されないよう船に積み込み、台湾に移動し現在の国立故宮博物院を設立したのです。
国立故宮博物院を訪れると気づくと思うのですが、展示物の歴史的また文化的な内容が大変詳しく説明されています。
これは国立故宮博物院が展示プロジェクトに多大な時間を掛けているおかげなのです。
実際、国立故宮博物院には研究所が3つもあり、それぞれの研究所には50~60人もの研究員が従事し、一つの展示プロジェクトは2~3年かけて準備するそうです。
国立故宮博物院スタッフの熱意が伝わってきますね。
「国立故宮博物院南院」は台湾の中南部にある嘉義に新しく作られた分院です。
台北にある本院は1965年に建てられましたが、最近になり訪れる人の数が急増したため、2010年に分院の建設が計画されました。
分院は2015年に完成し、「国立故宮博物院南院」としてオープンしました。
国立故宮博物院の院長によると、南院はアジア芸術の博物館として発展させたいとのことで、台湾だけでなく周辺のアジア諸国のアートの展示に力を入れています。
住所 | 台北市至善路二段221號 |
電話番号 | 台北市至善路二段221號 |
営業時間 | ■通常開院時間 午前8時30分~午後6時30分 ■夜間開院時間 金曜、土曜日午後6時30分~9時 |
休み | 無し |
HP | https://www.npm.gov.tw/ja/ |