台湾では現在も産業遺跡や歴史建造物の保存に力を入れています。
清国統治時代に建てられた中国様式の建築、日本統治時代に作られたバロック様式などのモダンな建物と、台湾が歩んできた歴史の一端を知る機会にもなりますよ。
ここは中央政府の官庁が集まっている、まさに台湾の政治を担う場所。この一帯は常に厳重な警備で守られており、エリア上空には飛行制限がかかっています。
特に日本統治時代に建てられた重厚な建築デザインが多く台湾の街を彩る美しい名所となっています。
1919年竣工の旧台湾総督府庁舎は日本統治時代に造られたルネサンス様式の歴史建築です。
中央のシンボリックな塔は60メートル。ここには台湾初のエレベーターが設置されました。当時の最新技術を取り入れて建設され、建物内の材木はすべて一級品であった台湾ヒノキを使用しています。
時間が限られていますが総統府内の一部は参観可能です。館内には台湾史に関する展示もあります。
1934年に完成した建物で、総統府の南に位置する台湾の最高司法機関です。
日本の方向である東向きに建っており、構造も総統府に似ていますが建物全体が薄緑色なのが特徴的です。
この色は戦前国防色と呼ばれていました。地味な色合いにすることで空襲の目標にならないように工夫されていたようです。そのためか全体的に落ち着いた雰囲気が漂っています。
外観のみ見学可能です。
総統府、司法院と同じく重慶南路一段にあるギリシア風の柱が特徴的な旧台湾銀行本店です。
旧台湾銀行本店はかつて台湾の紙幣の発行権を持つ特殊銀行だったそうです。
現在の建物は1937年に完成したもので現在は台北市指定の古蹟として保存されています。重厚感のある建物はどこか荘厳さをも感じる堂々とした佇まいです。高い天井が開放的な広々とした空間の建物内部も是非ご覧下さい。
ドーム状の屋根が目を引くこちらの建物は監察院と呼ばれる施設です。
建物が落成したのは1915年(大正4)年なので既に100年を超える歴史があります。戦前は台湾北部を統括する台北州庁舎として使われていました。設計は台北賓館や台南市政府などで知られる森山松之助です。
外観のみの見学ですが、外から見るだけでも建物の美しさが十分伝わります。夜のライトアップも必見ですよ。
1916年竣工当時はアジアでも最大規模を誇る病院だった台大醫院。
現在も病院として機能しているので建物内部の見学も自由です。
外観の美しい装飾に加え、入り口すぐの中央ホールも見ものです。2階まで吹き抜けになっており、高い天井からは明るい日差しが差し込みます。中央ホール奥にある中庭は噴水も設置されたまるで小さな箱庭のよう。来院する人たちのオアシス的存在です。
中正紀念堂は高さ70mの純中国式建築物です。中には大きな蒋介石のブロンズ像が鎮座しています。建物2階までの段数は89段。89という数は蒋介石が1975年に亡くなった時の年齢なのだそうです。
中正紀念堂の正面にある巨大な白亜の門からまっすぐに伸びる民主大道を中心に国家戯劇院、国家音楽廰の二つの建物が左右対称に作られています。広い庭園をのんびりと歩くと気持ちがいいですよ。
博愛特区の最寄駅は台北MRT(地下鉄)淡水信義線台大醫院駅から中正紀念堂駅の間です。日本統治時代から現在まで大切に使われている建築の数々は外観だけでも見応えがありますので、ゆっくりと散歩がてら見学しましょう。
歩き疲れたら緑に溢れる二二八和平公園や国立台湾博物館で休憩してはいかがでしょうか。
台湾グルメの名店もありますのでこのエリアだけで一日観光できますよ。