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台湾・平溪でランタンを飛ばそう!チャンスは年に2回!!

台湾・平溪でランタンを飛ばそう!チャンスは年に2回!!

台湾の平溪という地名をご存知でしょうか?

平溪は台北の東、新北市の東部に位置しています。台湾鉄道の平溪線が通っており、平溪老街並びに、沿線に十分老街、猫がたくさんいる猴硐エリアなどがあることで有名なところです。

自然が多く昔の坑道なども多く残っているこのエリア、美しい自然の風景や古い建物などを見ることができますが、その他このエリアで絶対にやっておきたいことと言ったら、何と言っても「放燈」でしょう。「放」は上げる、「燈」は灯りという意味の言葉です。

旅行番組や旅行ガイドなどでは「ランタン飛ばし」という単語の方がよく使われているでしょうか? 

その単語とともに炎を灯した丸っこいランタンが空へと浮かび上がっていく写真や映像を見た方も、少なからずいらっしゃるのではないかと思います。

台湾・平溪でランタンを飛ばそう!チャンスは年に2回!!

個人でランタン飛ばしをしたかったら、平溪へ行ってお店でランタンを購入すれば簡単に行うことができます。

が、年に2回、夜空に向けて大勢の人が一斉にランタンを放つという、すばらしく幻想的なイベントが行われているのは皆さんご存知でしょうか?

1回は農暦1月15日の元宵節の夜(2018年は3月2日)、そしてもう1回は、農暦8月15(2018年は9月24日)の中秋節の夜です。

元宵節のランタンは比較的有名ですが、中秋節にも行われているのは知らなかった、という話をちょくちょく耳にします。

次回行われるのは来年の旧暦1月15日(2019年は2月19日)、というわけで、その参考になればと思い、ちょっと中秋節の時のランタンフェスティバルについてお話させていただきます。

台湾ランタンの起源

台湾・平溪でランタンを飛ばそう!チャンスは年に2回!!

さて、レポートの前にランタンのちょっと小難しい話など。

突然ですがみなさんは『レッドクリフ』という映画をご存知でしょうか?

もう10年ほど前の映画になりますが『三国演義』をもとにストーリーが作成され、トニー・レオンや金城武など名だたる俳優が三国時代の偉人に扮したことで有名な映画です。

物語の舞台は、三国演義一有名な戦いと言っても過言ではない、「赤壁の戦い」。

華北を平らげた曹操が江南をも飲み込まんとして長江に大船団を敷いたのを、孫権と劉備の連合軍が寡兵にて打ち破った大戦(おおいくさ)です。

呉蜀連合水軍が魏の大船団に攻め込むシーンで、金城武扮する諸葛孔明は火計の合図として、大量のランタンを空へ放ちます。

このランタン、中国語では「天燈」、または「孔明燈」とも呼ばれています。なぜ孔明燈かというと、諸葛孔明が発明したものだからです。

実際の使用例としては、三国時代に平陽郡にて孔明が魏の将司馬懿の軍に包囲された折、孔明燈に手紙を括り付けて救援を求め、難を逃れたというエピソードがあります。

のちに孔明を紀念する行事として空に孔明燈が飛ばされるようになり、戦の時の連絡手段の他、祝祭のときの儀式的な要素も持ち合わせるようになっていきました。空の高いところまで上っていくランタンは、神様のいる天上により近いところまで飛んでいくことができると考えられたためです。

そうしたことから旧正月15日の元宵節には、多くの人が一年の平安を願って空にランタンを飛ばすようになりました。

台湾のランタンの起源

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では台湾でどうしてランタンが飛ばされるようになったかというと、話は清の時代にまで遡ります。

清朝の頃に中国大陸から台湾へ移住してきて十分寮地区に住み始めた人たちが、匪賊に脅かされた時、一旦山の中に逃げ込みました。

その後匪賊が過ぎるのを待って山を降りたのですが、賊が去ったことを知らせるためにランタンを飛ばして逃げた村人たちに下山を促したという話があるのだそうです。

それがちょうど農暦1月15日であったことから、この日にランタンを飛ばして人々の平穏無事を祈り、また近隣の村同士で無事を知らせ合う手段にしたのだとか。

この風習が今にまで続いているのが、毎年元宵節に行われているランタンのイベントです。台湾の中でも平溪エリアでだけ許可が降りている活動なんだそうですよ。

多少性格は変わったとしても、三国時代からかなり歴史が下った今もなおランタンが飛ばされていることを考えると、諸葛孔明は偉大な発明をしたのだなぁと感心してしまいます。

台湾のランタンフェスティバル当日!

台湾・平溪までのアクセス

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まず現地に行かなければ始まらないということで、平溪への交通から。

上にも記載しましたが、平溪に行くなら台湾鉄道か、もしくはMRTとバスを乗り継いで行くと良いでしょう。

直通する電車がないので瑞芳という駅で必ず乗り換える必要がありますが、片道76元(復興/区間車、現金使用)で行くことができます。

またMRTとバスで行くなら、ブラウンライン(文湖線)の木柵という駅で降りて795番バスに乗って行くことができます。こちらはバスの本数が限られているので、運行状況を確認した方が良いでしょう。休日なら30分に1本程度バスが出ていますよ。

価格は台北駅からなら片道75元(現金使用の場合)です。

時間は動態のウェブサイトを確認したところ、電車が2時間程度、バスとMRT利用が1時間半程度とありましたが、私はツアーで行ったためどちらも利用したことがないので、時間は参考程度にしていただければと思います。

また、ランタンフェスティバルの当日には木柵や動物園、瑞芳などの駅からバスのシャトル便が出ていることもありますので、「平溪天燈節」のウェブサイトを都度確認しておくと良いでしょう。

台湾ランタンフェスティバル会場と申込みについて

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中秋節のランタンフェスティバルの会場は、平溪中学という中学校でした。平溪老街からは歩いて10分ほどのところに位置しています。

ランタンフェスティバルへの参加申し込みも、こちらの中学校で行われます。私はツアー参加でしたので申込みの手続きは免れたのですが、当日個人で申し込むなら、朝の10時から現地で申込みの受付が開始されるので、それにあわせて現地を訪れた方が良いでしょう。

自分で行ったわけではないのでなんとも言えないのですが、人気のイベントですからそれなりの倍率は覚悟した方が良いかと思います。

さぁ台湾で、いざランタン飛ばし

台湾・平溪でランタンを飛ばそう!チャンスは年に2回!!

ランタン飛ばしの申し込みが完了したら、後は夜を待って、ランタンを飛ばしましょう。

当日多くの観光客がこのイベントに参加する都合、ランタンの一斉打ち上げは、第1回から第9回まで、30分に1回ずつ行われます。自分がランタンを飛ばす回の時間までに平溪中学へ行きましょう。

私達ツアーは第7回目に申し込んでいましたので、夜の7時頃に会場へと向かいます。会場に入ったら、まずは体育館に入ってランタン飛ばしの説明を聞きます。

手順としては、

  1. ランタンに願い事を書き入れる
  2. 願い事を書き終えて火を点けてもらったら足で抑える
  3. 合図とともに足を話してランタン空へと放つ……
とのことでした。

ありがたいことに日本語の説明もありましたので、説明の中で特に不明に思うこともありませんでした。

説明を全て聞き終えたら、校庭へ移動してランタン飛ばしの準備をします。願い事を書き入れ、点火をしてもらい、合図とともにさぁ空へ……!

と、合図のちょっと前になんと突然の大雨が! 強い大雨に打たれた私達のランタンは、空へと舞い上がることはできませんでした……

というわけで空へと飛び立つランタンを真下から撮影した写真は残念ながらありません。すみません。

願い事の数が多すぎて、神様がキャパオーバーしたのでしょうか。第6回と第8回のはきれいに飛んでいたんだけどなぁ……。

そんなわけでやや消化不良に終わった中秋節のランタンフェスティバルでしたが、無数のランタンが空を彩るさまは、無数の赤い星が地上から吹き上がるようで、やはりとても幻想的でした。来年の元宵節や中秋節にも変わらずこのイベントは行われますので、このまま諦めずにリベンジしよう、と思った一件でした。

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