台北からMRTで北部へ行くと、温泉で有名な北投、陽明山エリアがあります。陽明山といえば四季を通じて花と緑が豊かな国家国立公園が有名です。その公園と合わせて訪れるべきスポットが「中山楼」です。
周囲を山に囲まれた場所に立つ、立派な姿の歴史建造物。その内部はどうなっているのか、見学に行ってみましょう。
台北・陽明山の中山楼とはなんだろうと思われる方は、台湾紙幣100元札の裏面を見てみるとわかるかもしれません。100元札の裏面に印刷されている建物は中山楼なんです。
外観からして圧倒されてしまう堂々たる姿の中山楼。緑の瓦が気持ち良く並ぶ大きな屋根と丸屋根が特徴的な中華建築は、まさに壮麗という言葉がぴったりです。
中山楼は、国父と呼ばれ親しまれている孫文の生誕100年を記念して1966年に建設された建物です。かつては国民大会(国会にあたるもの)や国賓をもてなす特別な場として活用されてきた歴史建造物で、2006年から一般公開されるようになりました。
見学時間は限られていますが、9:00、10:30、13:30、15:00の1日4回、無料のガイド付きツアーで参観が可能になっています。
風水をベースに作られる建築物が多い台湾ですが、中山楼もその一つです。
ここは北投へと流れていく硫黄の坑道上にあり、風水的に良い土地とされたため、この場所に中山楼が建てられました。しかし複雑な地形ゆえに建設はかなり困難な作業だったようです。
生誕100周年を記念した建物ということで、入り口の中央階段、庭園の階段などは100段に揃えられ、欄干の飾りも100個、中山楼の縦と横の長さもきっちり100メートルに設計されているのだそうです。
ちなみに蒋介石を讃える中正紀念堂の階段の段数は、蒋介石が亡くなった年齢を示しています。台湾の歴史建造物にはこうした数字の秘密も各所に秘められています。
天井の模様や照明、家具には、龍など縁起の良いものがデザインされています。「福」という文字が装飾に組み込まれているところもありますよ。いろんな場所に縁起の良いものがあしらわれているので、じっくり観察してみてください。いくつ見つけられるでしょうか。
参観コースは1時間のガイドツアーで、1階と3階、2階の一部が開放されています。中でもインパクトがあるのが台湾の元国民大会が開催されていた1階の文化堂です。入り口から舞台を眺めると、ズラーッと並んだ1000席を超える座席とその広さに驚きます。ここにも豪華な装飾が施されており、赤い絨毯やカーテンが贅沢な印象です。
レトロな中華装飾が美しい3階の円形ホールに来たら、バルコニーへ出てみましょう。こんなに気持ちのいい絶景が広がっていますよ。天気のいい日は山の向こうまで見渡せます。そしてこの眺めのいい場所が、中山楼の風水の中心なのだそうです。強い力を放つパワースポットとして、何かご利益があるかもしれませんね。そして門の先には風水樹と呼ばれる、風水上で要となる重要な木がありますよ。開けた視界とともに、何か頭の中もすっきりしていくような爽快さを味わえます。
見学ツアーのガイドは中国語と英語のみ。事前予約をすれば、日本語のガイドさんを付けてもらえます。ツアー開始の10分前には指定場所に集合が必須です。館内は写真撮影が可能なので、豪華絢爛な装飾と建造物をカメラに収めてみましょう。中山楼で歴史に触れて、北投温泉で一泊するという台北からのプチトリップもおすすめですよ。
住所 | 台北市陽明路二段15號 |
営業時間 | 9:00・10:30・13:30・15:00 |
電話 | 02-2861-0565 |
休み | 旧暦の大晦日と元日、祝日 |
参観料 | 80元 (※学生や10人以上の団体など60元) |
アクセス | MRT士林駅からタクシー約15分 |
地図 |