台南は史跡の多いところですが、気象博物館(旧台南測候所)もその中の一つです。かつては台湾には5か所に測候所が作られていましたが、今でも残っているのはこの台南の測候所だけです。
気象博物館(旧台南測候所)は台南駅から歩いて行くこともできます。台鉄台南駅から南西に伸びている中山路を約10分ほど歩き、ロータリーの所で右に曲がって公園路に入るとすぐです。
18角形のレンガ造りの建物の屋根は瓦屋根、そしてその上に白い灯台のような塔が立っているのですぐわかります。気象博物館(旧台南測候所)のすぐ隣にあるのが現在の気象センターです。
気象博物館(旧台南測候所)の白い塔は風力計測をするために建てられたものです。
気象博物館(旧台南測候所)は実際にはもう使われていないのですが、この塔だけは風力を計測するために今でも使われているのです。
測候所内は入場が可能です。建物の中には昔使われていた無線装置やその他の機械類が展示されています。
また夜になるとライトアップされますので昼間とは違った趣を味わうことができます。
気象博物館(旧台南測候所)の創設は日本統治時代の1898年になります。
1895年から台湾の統治を司っていた日本による台湾総督府は、台湾を統治するためにはインフラの開発が必要と考えていました。
そのため統治が始まるとすぐにインフラを構築していったのですが、同時に気象観測の大切さにも気が付いていました。
それは台風などの気象状況が台湾の経済や台湾人の生活形態に大きな影響を与えていたためです。こうした考えの下に建てられたのが旧台南測候所でした。
気象博物館(旧台南測候所)は設立後順調にその機能を果たしていましたが、太平洋戦争が終わると、名前が「台南気象局」に変更され、戦後まもない1947年から気象観測が再開されました。
その後も何度か名前が変更されましたが、1998年には、旧台南測候所の隣に建てられたビル「中央気象局台湾南区気象センター」で気象観測を行うようになりました。これを機に、旧台南測候所は台南市政府により市定古跡として指定されました。
更に2003年には国定古跡にランクが上げられこの時から重要史跡として一般に公開されるようになったのです。
2018年は気象博物館(旧台南測候所)が作られてから120年目の年になり、2018年5月26日には記念イベントが開かれました。
このイベントではガイド付きのツアーや動画観賞会などが予定され、記念のはがきなども発行されることになっています。
そしてイベントが終わると、旧台南測候所は2016年の地震で破損した箇所を修理するため、200日間閉鎖されています。修理が終わりましたらぜひ足を運んでください。
旧台南測候所に行くときにはロータリーを右に曲がりましたが、そのロータリーのそばにあるのが国立台湾文学館です。
国立台湾文学館は、日本統治時代の台南州庁舎の一角を利用して2003年にオープンしました。1階が展示室で地階が図書室になっています。
展示されているのは原住民の口承文学や台湾の文学史関係の資料、そして台湾の著名な作家の作品などです。この台湾の作家の作品は日本語でも書かれています。
天壇は道教の廟で、正式には台湾首廟天壇と呼ばれています。
公園路から見ると旧台南測候所のちょうど裏側にあります。廟の建物は三川殿、正殿、後殿、そして過水廊でできており、全体としては規模の大きな廟だと言えます。天壇に祀られている神様は20以上もあるため、多くの参拝客が訪れます。
正門に掛けられた「一」の字は「千算万算、天の一算に如かず」という意味が込められているそうです。「人間がいくら思案しても天の一つの思案には及ばない」ということになるでしょうか。
住所 | 台南市中西区公園路21号 |
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営業時間 | 月~金曜、第3土曜日の10:00~15:00 |
休み | 土日祝日 |
アクセス | 台湾鉄道台南駅から徒歩約10分 |