林百貨は台南の市街地にあるデパートです。
日本統治時代に作られたもので戦後廃業になってからは政府の機関の建物として使われたこともありましたが、しばらく放置されていました。
それが2014年に文化創作の場としてリニューアルオープンし、今では台南の観光スポットの一つになっています。
林百貨は台南でも一番人口密度の高い中西区にあり、周りはショップやホテルが立ち並ぶ繁華街になっています。
林百貨は日本統治時代に建てられたデパートですが、しばらく放置された後、2014年にリニューアルオープンしました。この時にはニューアルオープンのニュースを聞きつけ、たくさんの人が押し寄せたため、入場制限が掛けられました。
店内では店員がレトロなユニフォームを身に付け昔の雰囲気を演出しています。
林百貨は屋上も入れると6階ですが、建物内が5階になっているため「五棧樓仔(5階建てビル)」と呼ばれることもあります。
1階では台南の特産品が販売されており、2階は「台南グッドデザイン」をテーマに台南で作られた雑貨が置かれています。3階はファッションフロアで洋服やアクセサリーが置かれ、4階にはカフェがあります。この階ではまた本やCDも販売されています。5階はレストランのフロアで、6階の屋上は展望台になっています。
林百貨でもう一つ見逃せないのがエレベーターです。昔のままのデザインが残されており定員も6人。このエレベーターにはぜひ乗ってみたいといつも列ができます。
林百貨は日本統治時代の1932年に開店したデパートです。林百貨ができたころから台南には電気や水道が敷かれ、自動車も走るようになりましたが、当時台南では5階建て(屋上も入れると6階建て)の林百貨が最も高い建物でしたから台湾でも大きな話題となりました。
また、林百貨で数々のモダンな洋服や雑貨が販売されることによって、台湾の近代文化が始まったと言われています。
林百貨を創設したのは日本人の林方一でした。林方一は1883年に山口県に生まれました。幼いころに両親を亡くし、育ての親だった叔父叔母にも死に別れることになります。
その後苦労しながら台湾に渡り、勤め先の呉服店で商売の極意を学びます。それによって自身の店を開くことになるのですが、この商売が軌道に乗り店も4店舗に増えたので、資金を貯めて林百貨を創立します。
ところが林方一は、林百貨をオープンする前に病気で倒れ、オープン後わずか5日で他界してしまいました。林方一には4人の子供がいましたが、そのうちの次男の妻である林千恵子さんが2013年に林家として初めて林百貨を訪れています。
太平洋戦争前は栄えた林百貨でしたが、戦争中にアメリカの空軍の爆撃を受け閉店せざるを得なくなりました。
そのため林百貨の建物は国民党政府によって製塩工場や警察の事務所に使われました。1945年に太平洋戦争が終結したのですが、林百貨の建物全体は台湾実業株式会社の事務所として使われるようになりました。
この会社は後に別のところに引っ越したため林百貨はしばらく放置されていましたが1998年に市定古跡に認定され、改修工事が行われ2014年に文化創作の場としてリニューアルオープンしたのです。
林百貨の周辺エリアは台湾で廟が最も多いところだと言われています。その中の一つ孔子廟は林百貨から南東へ200mほど行った所にあります。孔子廟は1665年に建てられた台湾で最も古い廟です。
南門の上部には「全台首学」と書かれた文字が掛けられていますが、これは孔子廟が台湾の儒教の中心地だったことを示しています。敷地内には以成書院を初め全部で15の建造物があます。また緑が多いので台南の憩いの場にもなっています。
この孔子廟からさらに南に500mほど行くと大南門に着きます。大南門は1700年代に築かれた多くの城門の一つです。大南門は清朝の時代に木で作られたいたのですが、その後、石造りに作り変えられました。城門は普通防衛の機能だけを持つのですが、この大南門は敵を誘導し城内に入れて捕まえる機能も備えた城門でした。
この大南門の近くでは毎週週末になると假日花市が立ちます。蘭の花が手ごろな値段で手に入ります。
住所 | 台南市忠義路二段63号 |
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電話番号 | 06-221-3000 |
営業時間 | 11:00~22:00 |
休み | なし |
アクセス | 台湾鉄道台南駅から徒歩約15分。 台湾鉄道台南駅より市営バス1番、7番で「林百貨(中正路)」下車 |