賑やかな台北の喧騒から離れて、茶藝館で和みの時間を堪能しましょう。一度淹れ方を覚えてしまえば、意外と簡単に楽しめる台湾の茶藝の世界。茶藝館と一口にいってもその個性は様々で、お店によって店構えや茶葉の選び方も異なります。初めて茶藝館に行くなら、雰囲気たっぷりの空間でお茶を味わいたいですよね。
今回は永康街エリアからも徒歩圏内の「紫藤廬」をご紹介します。
紫藤廬の建物は1920年代に作られた日本統治時代の建物です。建設当時は高官の官舎として使われていました。その後の持ち主が台湾大学の教授だったため、毎日のように多くの知識人や学者たちが集い、学術討論や研究の場として使われてきたのだそうです。
現オーナーが店を継いでからは文芸家たちのサロン的存在になり、著名人たちを輩出してきたそうです。1981年からは現在の茶藝館としての営業を始め、今に至っています。1997年に古跡として指定されました。建物の歴史だけでなく台湾の文化を生み出してきた場所でもあります。
どことなく懐かしい感じを覚える店構えから庭を眺めながら店へ入ります。庭で目を引く藤棚は毎年3~5月にかけて美しい花を咲かせるそうです。紫の花で満たされる姿も是非見てみたいですよね。店内は、畳敷きの座敷とテーブル席があり、人数によっては個室の利用も可能です。素朴な佇まいの中に、書画や絵画が飾られている落ち着いた雰囲気が印象的です。
入り口付近には茶道具や古跡の資料が飾られており、2階には展示スペースがあります。ここでは常時アーティストたちの展示が行われています。時にはコンサートも開かれているのだとか。オフィシャルHPを見るとスケジュールが確認できます。現在も台湾の文化が華開く場所として活躍しているんですね。
茶葉によって淹れ方が異なる台湾茶。まずは店員さんの淹れ方を見て少しお勉強。その後は自分で淹れてみましょう。茶葉の種類がたくさんありますが、日本語での紹介もありますので、どんなお茶なのかじっくり吟味することができます。
初めて台湾茶をいただくという方にはお店の名前がついた「紫藤」というお茶がおすすめです。台湾中部の南投県で取れた凍頂烏龍茶で、しっかりとした焙煎の香ばしい味わいが楽しめるお茶です。飲むたびに異なる味と香りが楽しめ、飲むほどに味わい深くなります。丁寧にお茶の味を感じてみるには最適です。「梨山初曉」という高山烏龍茶はすっきりとした味わいでさっぱりとしたお茶が好きな方向きですよ。
お茶菓子には緑豆の落雁「緑豆糕」やパイナップルケーキをどうぞ。最初はお茶をじっくり味わって、香りや色、風味を味わいましょう。お茶菓子は後でのお楽しみです。凍頂烏龍茶で煮詰めた茶梅もお茶にぴったり。せっかくなので台湾でしか味わえないお菓子をお茶請けにしましょう。紫藤廬ではこのほかにもドライマンゴーやドライトマト、ドライスターフルーツなどお茶によく合うお茶菓子が豊富に揃っています。お茶のこだわりと同じく厳選された素材を使って丁寧に作られた茶菓子もまた魅力的です。季節によって一部メニューが変わるため行くたびに新しい発見があるかもしれませんね。
茶葉を持ち込みして、茶水代220元を支払って紫藤廬でお茶を楽しむという方法もあります。茶藝館での過ごし方は、お茶を飲むことに限らず、空間そのものや一緒にお茶を味わう人との時間も大切ですよね。お昼と夜はゆっくりと食事を楽しむこともできます。集中してお茶を味わうと、五感が研ぎ澄まされていくような感覚を覚えます。是非お茶文化という台湾の伝統文化に触れてみてください。
住所 | 台北市新生南路三段16巷1号 |
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電話番号 | 02-2363-9459 |
営業時間 | :10:00~23:00 (食事は11:30~14:00、17:30~20:00) |
休み | 無休 |
アクセス | MRT「公館」駅出口3から徒歩約15分 |
地図 |
紫藤廬 (中国茶専門店 / 師大路)
昼総合点★★★☆☆ 3.5